2007年3月11日日曜日

中部のジムカーナシリーズ相次いで開幕

ジムカーナとは、広場やサーキットにパイロンを並べて走行し運転技術の「正確さ」と「すばやさ」をタイムにして競う競技である。高速セクションとテクニカルなセクションが混在したコース設定になっていて、1分~2分の間にあらゆるドライビングテクニックが要求される。スポーツにおいては「基本」が大切だが、この競技においてもしかり。トップカテゴリーを戦う選手はどなたも、とても技術的に優れておりミスがなければみんな同じくらいのタイムでゴールしてしまう。

もちろんミスが無い人間などいないのでこのミスの数が少ない選手が勝利を手にすることとなる。アールエスタケダのチーム内でも多くの選手がこのジムカーナ競技に参戦。すでに中部東海シリーズ(ミドルシリーズ)の第一戦が終了しており、今日3月10日には中部選手権は第一戦を迎える。今年度は我々のクラブからだけではなく、他のクラブからもこれらの選手権へ初参戦する選手が多くなっていて、盛り上がりを見せるシリーズである。

ジムカーナは全日本選手権を頂点とするピラミッド型の選手権構成になっているのだが「中部ジムカーナ選手権」は、地方格式の選手権ではトップのカテゴリーとなる激戦区。


以前WRCの参戦を終えた後のブログにも書いたが、「勝利」とは単なる結果に過ぎない。大切なのはそこに至るまでの道のりであり何をしてきたのかによってその結果はどのようにも変化していく。SFの世界観でパラレルワールドというものがあるが、右に行くのか左に行くのかあるいは立ち止まるのか進むのか。それらの無数の組み合わせが未来を決めているのだと思う。「勝利」とは結果ではあるが反面「必然」でもある。カッコつけた言い方をすれば未来に生まれる「結果」は自分自身が作り上げたものだといっても過言ではない。

当社のファーストドライバーであり、WRCクラス優勝の実績を持つ中村と話していたときに彼がこういっていた。「練習に行く時間が取れない、お金が無くてタイヤが買えない、そのいずれもがその選手の実力だ。それらのことができない時点ですでに勝負は決まっている」何年も前の話だが、妙に納得したのを覚えている。もちろん個々のおかれている環境は様々であり、何もかもが思うように行くはずもないのだが、ベストを尽くすことは誰にでもできる。今現在おかれている環境、状況の中でベストを尽くしているのかを常に考えながら取り組んでいくことはモータースポーツ選手の義務ではないかと感じる。

地道な作業や取り組みが大切だと書いたが、今年のクラブ員たちを見ているとまさに、その言葉通りにプロセスを積み重ねている者が多く、未来に大きな期待感を感じる今日この頃である。

彼らが栄光を掴むために私ができることは限られているが、この数十年間で学んだすべてを惜しみなく捧げたい。99パーセントの努力と1パーセントの「運」が必ず彼らに勝利の瞬間をもたらすだろう。もちろん1パーセントの「運」とは最大限の努力をしたものだけに与えられる魔法の一滴。

勝利の瞬間までくじけずにがんばってほしい。得られた勝利は選手のものであり、彼らの人生の宝物だと思う。

2007年のシーズンが最高のものになることを祈ってやまない。

TEXT:Hiromi Takeda

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